映像アーカイブ事業

東日本大震災の教訓を伝承するため、震災直後からの復旧・復興で果たした建設業界の働きを可視化し、震災のレガシーとして残すことが重要です。

特に、震災直後の道路啓開や津波の排水作業などは、大津波警報が発令中にも係わらず、警察・消防の人命救助以前の緊急作業として、もっぱら地元の建設業者が自主的に行い、孤立した避難所への緊急物資輸送にも大きな役割を果たしました。加えて、過去に例を見ないスピードで復旧・復興事業を実施した建設業界の働きは、これまで培った様々な知見や技術を縦横に駆使して行ったものです。そのため、企業や団体は独自にこれらの働きを貴重な記録として保存はしているものの、世間に知られることはほとんどありません。

私たちは、震災から10周年という節目を契機に、団体や企業、社員個人が所有している資料や写真、映像などを、団体や企業の求めに応じて編集し、これらの活動を可視化し、映像アーカイブとして認定し、貴重な資産として残す事業をはじめました。

目的

本事業は、東日本大震災直後の献身的な活動と、それに続く10年間の復旧・復興の記録を次世代に着実に伝承するため、発災以降、様々な活動に尽力された建設会社各位の活動実績を映像アーカイブとして残し、教訓の伝承と新たな防災意識社会の形成に向け、広く社会に役立てていく事を目的としています。

事業内容

私たちは、建設業界における震災後の社会貢献を明らかにするため、建設関係の団体や企業からの申請に基づき、ヒアリングを行い、その後に関連する映像資料の提供を受け、基本的なストーリーを作成します。

そのストーリーをベースにしてコンテンツ確定し、映像制作を行います。当時の社会情勢を踏まえ、被災の現状や課題を明らかにするのはもちろん、どのように対処したのか必要に応じてその背景や根拠などインタビューなどを加えて明らかにし、映像作成をすすめ、被災地に与えた意義や役割を明確にします。

映像完成後には、映像アーカイブ事業認定委員会により、映像アーカイブ事業として審査を行い、認定作品として認定書の交付が行われます。

その後に公開の手続きを取ります。

制作映像の概要

制作対象企業・団体
東日本大震災等の災害に対応した企業・団体
制作内容
写真と動画の併用 5分〜8分程度
映像の掲出場所
3.11伝承ロード推進機構HP
研修ツアーバス車内、伝承施設内等
イメージをクリックすると詳細が表示されます[PDF/513KB]

※ オプションメニューとして、社内若手チームによるワークショップ形式で映像を作成することも可能です。

申請から制作までの基本的流れ

申請者から申込み

映像制作

映像完成

申請者から申込み

  • 申請書の提出
  • 機構内において内容審査(何を可視化するのか、訴求テーマは何か)
  • アーカイブ事業候補作品として認定

映像制作

  • 契約締結(利用規約を含む)
  • 各種映像資料提供、共同でシナリオ作成、映像制作
  • 認定委員による作品認定

映像完成

  • 映像アーカイブ事業認定証交付
  • 作成映像送付

映像アーカイブ事業の依頼申請書

映像アーカイブ事業認定委員会について

映像アーカイブ事業認定委員会は、映像アーカイブ事業として相応しい作品を認定作品として認めるための審査を行います。

  • 映像アーカイブ事業認定委員会規約(別紙2) PDF(185KB)

映像アーカイブ事業認定委員会

委員長 今村 文彦 東北大学災害学国際研究所 所長
委員 徳山 日出男 政策研究大学院大学 客員教授
中村 浩彰 一般社団法人日本旅行業協会 東北支部長

作成後の活用例

本事業による映像は以下のような用途が想定されます。

尚、詳細に関しましては、双方合意の上、契約書において規定させていただきます。

申請企業としての活用例

  • 社史の一部としての記録映像として、社員、取引先への配布物としての活用
  • 社内、社外催事におけるコンテンツ映像として
  • 自社Webサイトなどにおける後方コンテンツとして
  • 社内研修素材として
  • リクルート用素材として
  • 株主向け資料として

機構としての活用例

  • 機構ホームページにおける掲出
  • 東北地方整備局施設内等での活用
  • 機構公認の研修ツアー内コンテンツとして
  • 機構主催および関連イベント等での活用
  • 震災伝承施設等での掲出

認定作品のご紹介

各認定作品は、タイトルをクリックするとYoutubeにてご覧いただけます。

ダイジェスト版

認定作品一覧

認定番号 作品名 認定作品会社名
1 第二の水素爆発を防げ [6分42秒] 過酷な状況で国道6号の早期復旧に立ち向かった大成ロテックの記録 大成ロテック株式会社
2 地元を守れ! [10分12秒] 孤立した避難所に命をかけてインフラを緊急復旧させた武山興業の記録 株式会社武山興業
3 道を切り啓け! [11分40秒] 津波で壊滅的は被害を受けた宮古市の早期道路啓開に貢献した刈屋建設の記録 刈屋建設株式会社
4 ふるさとに笑顔を取り戻す [12分19秒] 2011年の東日本大震災による大津波で大きな被害を受けた小泉大橋や定川大橋、旧北上川河口の緊急復旧工事に貢献した若生工業の記録 若生工業株式会社
5 ワンチームで地域を守れ! [8分29秒] 2019年の台風19号による大洪水で大きな被害を受けた丸森町、大郷町の早期復旧に貢献した熱海建設の記録 熱海建設株式会社
6 仙台空港を啓開せよ! [7分51秒] 津波に飲み込まれた仙台空港の早期機能回復に貢献した前田道路の記録 前田道路株式会社
7 気仙大橋を通せ! [14分7秒] 東日本大震災による大津波で破壊された、陸前高田市の気仙大橋を、わずか61日で復旧させた東亜建設工業株式会社の記録 東亜建設工業株式会社
8 航路を啓け!緊急物資と燃料を届けろ! [11分56秒] 一般社団法人日本埋立浚渫協会
9 津波から市民の命と財産を守るために 〜釜石港湾口防波堤 災害復旧工事編〜 [14分40秒] 一般社団法人日本埋立浚渫協会
10 日常を取り戻せ [8分] 2011年の東日本大震災による大津波で大きな被害を受けた山元町の復旧復興に貢献した野村建設の記録 野村建設株式会社
11 緊急復旧工事を阻むもの〜放射線との闘い〜 [10分27秒] 2011年の東日本大震災による大地震、大津波、原子力災害で大きな被害を受けた福島県沿岸部の早期復旧に貢献した石川建設工業の記録 石川建設工業株式会社

映像アーカイブ作品の貸出についてはこちら[PDF/248KB]